吉行和子さんの著書<老嬢は今日も上機嫌>が新潮社から届いた。初めてお目にかかったのは18年前、それ以来、私は吉行さんに恋してる。
日本の女優は汚れ役や娼婦役をすると体当り演技とか演技開眼などと大仰な高い評価を受けるけど、体当りされたら見てる側は痛い気もちまで遠くにすっ飛ばされちゃう。もっとヒドイのは貴婦人や淑女の役、ちょっと見にはそれらしくても所作、特に食事のとりかたでお里が知れちゃう。そんな女優が多いなかで吉行和子さんは別格、その両方の役は勿論、どんな役がらも自然な在りかたで演ずる唯一の女優さん。観客に気をつかわせない演技ってスゴイと思う。
ソファに寝っころがって読んでるうちに夢中になった。女優として一流なら生きかたも一流。吉行さんと友だちでいる人は幸せだなあと、少し嫉妬しつつページを繰っていたらガァーン、な、な、なんと私の名まえが出てきた。反射的に飛び起きたもんね。ソファから下りて正座して読んだ。読破したあと何度も繰り返した。そうだ私の存在を認めさせるには、これしかないと兄姉に電話“いい?吉行和子さんの<老嬢は今日も上機嫌>よ、出版元は新潮社、1400円税別よ。初めから丁寧に読み進めてよ、すぐ買ってね”つい話してしまいそうで急いで電話を切った。“どーだ、驚いたか末っ子の悦っちゃんはスゴイんだぞ”ってとこ。L.Aに住む友人が訪ねてくれたので彼女にも購入を約束させた。親友の祥恵には電話で。
私のことは別にしても本の帯にあるように − 芸術一家に育った女優が綴る、真面目で、可笑しく、滋味あふれるエッセイ集 − です。ぜひにご購入を!
軽やかに、上機嫌に生きてゆくためのよいお手本です。 |
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